今回は少し前に多かったオートシップによる搾取や、最近の投資系MLMの詐欺の手口について書こうと思います。ねずみ講業界にも変化が起きていると感じます。

MLMとオートシップを掛け合わせた搾取方法について

商品の定期購入のことをオートシップと言います。

MLMの中には、ビジネス会員の維持、もしくは報酬を受け取るために毎月一定額の製品購入を義務付け、そのお金を上位会員が吸い上げていくという構造のものがあります。

特に健康食品や美容化粧品といったものを扱うMLM企業に見られます。

形のないもの(旅行や福利厚生、ソフトウェアなど)を売っている会社も、月会費や管理費用という名目で吸い上げていることがよくあります。

MLM×オートシップ搾取の仕組み

MLMの還元率が100%の場合は誰かが利益を得た分と同じ額を誰かが損しているという図式になりますが、大体は多くても還元率60%くらいなので、実際はもっと損している人が多いという計算になります。

組織に加担した末端ビジネス会員は、オートシップ代を浮かせるために新たなビジネス会員を探し、オートシップを組ませる必要があります。

そのため誰かを引き入れ、お金を出させ、その人に同じことをやらせるというねずみ講の図式ができあがります。

運営としては、オートシップを通すだけで毎月定期的にお金が入る自動集金システムの完成です。しかもこのシステムは自動的に拡大していきます。

MLMの中でもオートシップの吸い上げは凶悪な部類に入ります。

一般消費者に小売りし、オートシップを組ませた場合はどうか

ビジネス会員が一般消費者に対して商品を売り、オートシップを組ませ、それを上位会員が吸い上げることに対しては何の問題もありません。

なぜならこの場合はリクルートではなく、ちゃんと商品を販売しているからです。これは真っ当な営業活動と言えます。

MLMの理想は、少ないビジネス会員が小売り会員を大量に抱えることです。よって小売り会員の割合が多い会社は健全です。対して、リクルートとオートシップしか存在しない悪質な会社も存在します。

オートシップを課すが上位会員に配当しない場合はどうか

ビジネス会員に対して毎月何らかの費用負担を課すが、そのお金を上位会員に配当しない場合も、リクルートの連鎖が起きないため問題にはなりません。

危ないのは、ビジネス会員が支払ったお金を上位会員が吸い上げる場合となります。

投資系MLMの搾取方法について

最近は美容・健康食品系のMLMよりも、投資系のMLM(資産運用や仮想通貨のマイニング、ICOなど)が非常に多く出回っています。

投資系MLMは、一般的には製品系に見られるような毎月購入型のオートシップは導入されていません。

投資系MLMの場合、そもそも小売りというものは用意されておらず、投資した人は誰でも紹介ができるという構造になっています。

中には一定の購入金額を満たせば紹介できるようになるという仕組みもあります。ただしこれは単に投資金額の問題であり、小売りとは見なせないと思います。

よって図式としてはビジネス会員のバトン渡しが成立し、ねずみ講となります。

新たな投資家を連れてくればその分自分の投資額を早く回収できるというメリットがあることが新規紹介の原動力となりますし、新規の投資額が大きければ大きいほどリターンを得られるため、買い煽りがひどくなったり、借りさせたりといったことも起きます。

どのみち組織の一番上にポジションを置いている運営サイドに一番お金が集まる搾取システムです。

最近はオートシップを組ませて少しずつ搾取するという従来の方式が廃れ、このような形で短期集中でお金を集めるようなものに変わってきた印象があります。

ポンジスキームとの組み合わせ

投資系のMLMは詐欺が非常に多く、最初から破綻させることを前提に作っていることが多々あります。

新規会員が投資したお金を運用利益と偽って既存の会員に配当することで、運用していると見せかけることができます(ポンジスキーム)。高配当を出しているという餌として新規獲得にも使えます。

本命は運用による利益ではなくMLMによる投資資金の搾取です。この場合、運営は頃合いを見て飛びます。去年はHYIPという形で爆発的に広まりました。

最近はポンジスキームが回らなくなった後に、無価値な仮想通貨を作って会員の投資資金を強制的に替えてしまうという手法を多く見かけます。

配当の一部を強制再購入という形も存在

毎月購入という形でのオートシップは減りましたが、投資の配当を強制的に再購入に回し、そこから一部を吸い上げるという仕組みも度々見かけます。

表面上は魅力的な月利を提示されていたとしても、配当を再購入という形で内部留保させ、それを上が少しずつ吸い上げることにより、末端会員の元本回収は難しくなります。

結論: MLMは危ないよ

極まれに小売りを大事にしてやっている会社も存在するため、MLMのすべてを否定はしませんが、基本的にMLMの仕組みは大半において詐欺師が会員から金銭を搾取するために利用していると考えて良いと思います。

従来の製品系オートシップ搾取は最近見かけなくなりましたが、その分投資系MLMによる短期的な資金集めが非常に多くなってきています。

怪しい投資話のほとんどがMLMで展開されているという理由を再認識していただきたく思います。

くれぐれもご注意ください。