3月23日、金融庁は海外仮想通貨取引所であるBinance(バイナンス)に対し、警告書を発令しました。今回はバイナンス規制の意図や、個人的に思う事について書いてみたいと思います。

金融庁によるバイナンスへの警告アナウンス

無登録で仮想通貨交換業を行う者について、事務ガイドライン第三分冊:金融会社関係16.仮想通貨交換業者関係Ⅲ-1-4(2)②に基づき、本日、警告を行いましたので、下記のとおり公表いたします。

・業 者 名 等:Binance
代表者 Changpeng Zhao(チャオ・チャンコン)
・所 在 地:香港
・内 容 等:インターネットを通じて、日本居住者を相手方として、仮想通貨交換業を行っていたもの

事務ガイドライン第三分冊:金融会社関係16、仮想通貨交換業者関係Ⅲ-1-4(2)②の内容とは

Ⅲ-1-4には、「無登録業者への対応」という項目があります。

② 無登録で仮想通貨交換業務を行っていることが判明した場合

直接受理した情報や金融庁・他局から提供された情報により、業者名及び連絡先が判明しており、かつ、営業実態もある程度判明している業者については、無登録業者等への直接確認(電話やメール等の確認等、問合せの方法は問わない)等により実態把握に努め、その結果、当該業者が無登録で仮想通貨交換業を行っていることが判明した場合には、次により対応する。

イ.無登録に至った原因に故意性・悪質性がなく、利用者保護の観点から問題のある業者でない場合には、直ちに仮想通貨交換業務の停止及び仮想通貨交換業者の登録を求める。

ロ.無登録に至った原因に故意性・悪質性があると認められる場合、その他利用者保護上必要と認められる場合には、捜査当局に連絡するとともに、かかる行為を直ちに取り止めるよう別紙様式4により文書による警告を行う。

無登録に至った原因に故意性・悪質性があるのかないのかで「イ」と「ロ」による対処方法が変わるようです。

故意性、悪意性はないと思われるため、おそらくは「イ」の方の警告を出したと思われます。

なぜ金融庁はバイナンスを規制するのか

多くの日本人にとっては衝撃的なニュースとなったと思いますが、私は、以下の観点から動いたと思っています。

  • 日本人のバイナンスの利用者がかなり多い
  • マネーロンダリング、脱税防止

日本人のバイナンスの利用者がかなり多い

Alexaでバイナンスを調べてみると、日本人のアクセスがかなり多いことがわかります。

3月23日時点の結果ですが、binance.comへの日本からのアクセスがアメリカに次いで「2位」となっており、全体のアクセスのおよそ9%を占めていることがわかります。

また日本国内全体のトラフィックでは、「366位」と百桁台の結果となっており、このことからかなりのアクセスがあることがわかります。

Alexaからはおおよその値しかわかりませんが、おそらく国はより具体的な数字を把握しているものと思われます。

バイナンスと国内取引所とのアクセス比較

バイナンスの「366位」に対し、3月23日時点でのAlexaによる主要国内取引所のアクセスを調べてみました。

どうやらバイナンスはZaifと同じくらい日本人がアクセスしていることがわかります。

バイナンスと他海外取引所とのアクセス比較

3月23日時点でのAlexaによる主要海外取引所のアクセスを調べてみました。

こう見てみると、海外取引所の中でも「366位」のバイナンスの利用が圧倒的であったことがわかります。

個人的には、無登録業者がZaifと同じくらいのアクセスがあると国が把握している状況であれば、警告をするのも頷ける気がします。

マネーロンダリング、脱税防止策

仮想通貨の場合は、国内銀行口座にお金を預けてもらうよりも個人の保有資産や送金の実態把握が難しくなります。

国としてはあまり海外取引所を使われるのは好ましく思っていなく、どちらかというと国内取引所を利用してもらうことにより、国内取引所と連携しながら個人の資産状況や資金の流れを把握しておきたいと考えるのが自然です。

そして海外取引所よりも国内取引所に利益を上げさせることで、取引所から税金を徴収できるというメリットも大きいと思います。

以上の観点から、海外取引所を取り締まる選択肢を選ぶのは必然かなと思います。

日本人は今後バイナンスを使えなくなる可能性がある?

海外FX業者の例でいくと、金融庁から無登録業者に対しての警告を食らった場合、日本人がその業者での口座開設及び利用することができなくなるというケースが多いです。

バイナンスも同じように、もしこのまま日本で仮想通貨交換業者としての登録をしない場合は、今後日本人居住者の口座開設及び利用ができなくなる可能性が出てきます。

記事執筆後追記: バイナンスは2BTCまでは身分証の登録が不要なため、現時点で日本居住者のみを規制することはできないですね。バイナンスユーザーとしては朗報です。

ただし、アフィリエイトはできなくなるかもしれません。

金融庁は他の海外取引所に対しても警告を出すかもしれない

bittrexやHitBTCのような、日本人利用者が多くいるような海外取引所は他にもあります。

今後金融庁が同じように警告を出す可能性は十分に考えられます(というかおそらく出すと思っています…)。

bitFlyer加納氏の発言がユーザーの反感を買う

加納氏のこの発言には批判的なリプライが大量についており、個人的には多くが頷ける内容です。

  • 正当な取引所ではなく販売所としての手数料ボッタクリ
  • 呑み行為前提のFXサービス、広すぎるスプレッド
  • 貧弱なサーバー、貧弱なセキュリティ
  • 取り扱い銘柄の少なさ

やはりバイナンスと比べると、日本の取引所はまだまだと感じます。

金融庁は先にやるべきところがあるのではないか

たしかにバイナンスは多くの日本人が利用しており、大きいところから規制をしたいという魂胆もわかります。

ただしバイナンスは日本国にとっては無登録業者ですが正当であり、決して詐欺業者ではありません。

そもそも日本国民が海外業者かつ英語のバイナンスを利用する理由は、国内業者よりも優れているところがあるからです。

国内取引所の機能が充実すればわざわざ海外取引所なんて使う必要もなくなります。

それよりも日本には明らかに怪しい仮想通貨のプロモーションや販売行為、そして仮想通貨を題材にした投資詐欺などが横行しており、業界の健全な発達を阻害していると考えます。

金融庁は、そちら側を先に取り締まっていくべきではないかと個人的には思います。