前回は、MLMの報酬プランの一つであるユニレベルについて触れたので、今回は「バイナリープラン」について図を交えて解説していきたいと思います。

※バイナリーオプションのバイナリーとは違います。

バイナリープランとは?

バイナリープランとは、MLM、マルチ商法、ネットワークビジネス、連鎖販売取引、ねずみ講などと呼ばれる販売形式の、人を紹介した時に貰える報酬の仕組みの一つです。

バイナリープランは元々1980年後半に出てきたと言われており、2000年代にはユニレベルと並んでメジャーな報酬プランの一つにまでなりました。

言葉の意味

バイナリープランのバイナリーとは、「2」、「二進の」という意味があります。

詳しくは下記で説明しますが、バイナリーは左右に2人を置いていく形になるのでそのような名前がついています。

バイナリープランの仕組み

それでは早速バイナリープランの説明に移りたいと思います。

バイナリープランの基本は、図のように自分の下に左と右で2人配置することです。

Aは更に右と左に1人ずつ、Bも同じように1人ずつ配置します。

上手く組織が構築されると、自分を頂点として図のような形になっていきます。

パワーラインとペイライン

例えば図のようなMLMのバイナリー組織図ができあがったとします。

バイナリープランの報酬については、左のAチームと右のBチームの売上(もしくは人数)の比較になります。

図では、左のAチームは5人、右のBチームは8人の組織になっています。このうち、売上の少ないAチームを「ペイライン」と呼び、売上の多いBチームを「パワーライン」と呼びます。

バイナリープランの場合は、「ペイライン」の方を見て報酬が払い出される形となります。

仮に組織のメンバー1人あたり1万円の売上を上げたとします。

すると、左のAチームは5万円の売上、右のBチームは8万円の売上となり、ペイラインであるAチームの5万円の売上から何%か(15%など)が報酬として支払われます。

ここからAチームの売上が増え、Bチームの売上を抜けば、今度は逆にAチームがパワーラインとなり、Bチームがペイラインとなります。

スリーピングマージン

図は、バイナリーのAチームの方がBチームよりも売上が多い状態です。

C(パワーライン)の売上分の報酬の払い出しは、Bの系列を伸ばさない限り保留状態になっております。

この保留状態のお金の事を「スリーピングマージン」と言います。

スリーピングマージンは、ペイライン側の売上が増えることで、随時支払われることになります。

仮に組織図が左1:右100という偏りが起きた場合は、左を伸ばさない限りは99人分の報酬の支払いが保留されることになります。

パワーラインとペイラインの売上が均等になれば、バイナリープランでは一番払い出しが多くなります。

スピルオーバー

MLMのバイナリープランには、「スピルオーバー」という特有の仕組みが存在します。

スピルオーバーとは、英語で「溢れ出る」という意味になります。

図では、既に自分の下のAとBのポジションが埋まっています。バイナリープランはユニレベルと違って自分の下に3系列以上は出せないため、この状態で自分がCを紹介した場合、Aの下に配置するかBの下に配置するかを選択する必要があります。

自分がC、Dを紹介してAの下に付けると、Aは誰も紹介を出していないのにスピルオーバーにより左右に人が配置され、報酬が入るようになります。

スピルオーバーは時として勧誘時のトークに使われ、「何もしなくても上から降ってくる」「あなたの系列にはスピルオーバーをガンガンかける」といった煽りトークが混じります。

マッチングボーナス

何もしなくてもスピルオーバーで報酬が得られる可能性があるのがMLMのバイナリープランなので、しばしばユニレベルと組み合わせて直紹介を出した人を優遇する「マッチングボーナス」というものが設けられていることがあります。

例えば、自分がA、B、Fを紹介し、そのうちAはC、Dを紹介、BはEを紹介したとします。

これをユニレベルに並び替えると図のようになります。

ユニレベル組織図で見た時に、それぞれのポジションがバイナリー組織図で得たボーナスのうちのいくらかを貰えるのがマッチングボーナスとなります。

図で言うと、AとBはバイナリー組織図では左右に1:1ができているため、ユニレベル上でAとBが得たバイナリーボーナスのうちの何%か(図の例では10%)が貰えることになります。

図では一例として1段目10%、2段目5%としましたが、貰える%は会社によって異なります。

運営から見たバイナリープラン

続いて運営側に立ってバイナリープランを見てみます。

MLMの組織の一番上にポジションを置いている運営、または運営に近いリーダーは、自分の下にリーダーを2人配置してセミナー開催などを行い組織を広めていきます。

また、基本的にバイナリー組織が左右均等にできるのは稀で、大抵は左右どちらかに偏ることになります。

仮に、図のように左に100人の組織、右に0人の組織ができたとすると、自分にとっては巨額のスリーピングマージンが発生することになります。

この場合、運営は組織ができる程売上が増えるのに、報酬を一銭も支払う必要がありません。

基本的にバイナリープランは、スリーピングマージンが発生すればする程運営が得する仕組みだと言えます。

バイナリープランの戦略とコツ

基本的にバイナリープランは危険なので全くおすすめしませんが、ここではバイナリープランを採用しているMLMを手がける際の戦略とコツも解説しておきます。自分が紹介を出した時にどこに人を落とすかがポイントになります。

主に3つの戦略があります。

  1. 自分のペイライン上の一番深いところに人を落とす
  2. 仲の良い人のラインに人を落とす
  3. リーダーの資質がある人の系列に人を落とす

① 自分のペイライン上の一番深いところに人を落とす

最初は自分のペイライン上の一番深いところに人を落とす戦略です。

基本的にバイナリープランは2系列を伸ばす必要があり、また1人が両サイドの組織を構築するのは非常に難易度が高いです。

そこで組織の一番深いところに紹介者を落としてあげることで、その系列にいる人全員のパワーラインが増えていくことになるため、ペイラインを伸ばすことに専念することができます。

② 仲の良い人のラインに人を落とす

次は紹介を出したら、仲の良い人の系列に落としてあげる戦略です。

図では、AとCが仲が良いのでAの下にCを落としたパターンです。

人間関係の結びつきを重視することで、より系列同士のチームワークが充実するようになります。

ただし人間関係は複雑に入り組んでいるため、実はBとCも仲が良かったといった揉め事が起きます。

③ リーダーの資質がある人の系列に人を落とす

最後はリーダーの資質がある人の下に人を落とす戦略です。

やる気がない人の下に落とすと、系列そのものが死ぬことがあるためスピルオーバーが無駄になります。

よって、やる気があって系列が大きく伸びていきそうな人の下に付けることで、スピルオーバーが無駄になりにくくなります。

バイナリープランのメリットとデメリット

次はバイナリープランのメリットとデメリットをそれぞれ解説していきたいと思います。

バイナリープランのメリット

バイナリープランのメリットと言えば、やはりスピルオーバーで誰も紹介しなくても組織ができる可能性があることでしょう。

たまたまスピルオーバーで左右に配置された人から大量の組織ができた場合、何もしなくてもラッキーで報酬を貰うことができます。

ただしこういうラッキーな事象がしばしば営業トークに使われ、「誰も紹介しなくても」といった煽りが入ることがあるため注意が必要です。

バイナリープランのデメリット

バイナリープランのデメリットは、MLMの投機性を強め、マネーゲーム化しやすいというところです。

バイナリープランはスピルオーバーがかかるという特性上、基本的に先に登録すればする程人が下に付き有利になります。よって、

  • 「今すぐ登録すれば後に登録する○○さんの上に付くことになる」
  • 「登録待ちが3人いるので今登録すれば後の人達があなたの下に付く」

といったセールストークがしばしば入ります。

また、上でも書きましたがスピルオーバーの特性上、

  • 「私の系列はリーダーの○○さんのパワーライン上にあるからスピルオーバーがかかりやすい」
  • 「登録してくれたら私がどんどん落としてあげる」

といった、確証のないセールストークもしばしば入ります。

基本的に登録を急かし、正常な判断を鈍らせるようなセールストークが多いのがバイナリープランの特性であり、危険性と共にデメリットとなるでしょう。

バイナリープランは危ない

基本的にバイナリープランは投機性が非常に強く、危ないと言えます。というかバイナリープランは、商品の営業なんて二の次にしてMLMの組織構築のみを優先的に考えることが多く、人を組織に引き入れて利益を得るねずみ講と対して変わらないです。

組織構築のマネーゲームで組織も急激に拡大しますが、元々商品目当てで入会しているとも言えないため、伸び切った後は下から崩壊しやすいとも言えます。

また運営にとっては組織の頂点から左右に組織を伸ばせるためユニレベルと違って取りこぼしが少なく、またスリーピングマージンが発生すればする程運営は報酬を支払わなくても良いため、バイナリーは基本的に運営が一番得しやすいMLMの報酬プランと言えます。

個人的にはバイナリープランは投機性が強く危険なのでおすすめしません。