出資法は一条から九条まで定められておりどれも重要な法律なのですが、その中でもよく逮捕ニュースが出るのは第二条(預り金の禁止)の違反です。

ざっと今年のニュースを調べてみただけでも沢山出てきます(ここに載せている以外にもあります)。

今回はそんな出資法の第二条について解説します。

出資法第二条、預り金の禁止とは?

まずは出資法第二条、預り金の禁止の条文を見てみましょう。

第二条 業として預り金をするにつき他の法律に特別の規定のある者を除く外、何人も業として預り金をしてはならない。
2 前項の「預り金」とは、不特定かつ多数の者からの金銭の受入れであつて、次に掲げるものをいう。
一 預金、貯金又は定期積金の受入れ
二 社債、借入金その他いかなる名義をもつてするかを問わず、前号に掲げるものと同様の経済的性質を有するもの

ぱっと見読解するのが難しいですが、ざっくり説明すると、法的に認められた人(銀行などの金融機関)以外は不特定多数から「預り金」をしてはいけないと書かれています。

預り金とは、預金、貯金または定期積金、もしくは社債等の同様の経済的性質を有するものと書かれています。預金とはつまり後で預かったお金を全額返すと約束することであり、できるできない問わずに元本保証(もしくは増やして返す)を謳ってお金を集めることを指します。

また、不特定かつ多数の者とは、一般大衆の事を指します。つまり知人でもない多数の人にアプローチしお金を集めた場合これに該当します。

よって、出資法第二条では、「銀行以外が元本保証を謳って一般大衆からお金を集めてはいけない」と定められています。

預り金の禁止に該当するケース

出資法の預り金の禁止に該当するかどうかの例を出してみます。

  • セミナーを開き、アービトラージでの運用を名目に配当金と解約時の元本保証を約束しお金を集める
  • 「ある会社に融資することで利息を得られる、満期後には元本と利息を上乗せして返すことができる」と言って不特定多数からお金を集める

これらは不特定多数に対して元本保証を謳ってお金を集めているため、出資法で言う預り金に該当します。

  • 大規模な食事会をするために不特定多数からお金を集める

食事会のためにお金を集めるというケースでは、元本保証を謳っていないので当然セーフです。

  • クラウドファンディングで不特定多数から投資を募る

この例でも元本保証をしていないのでもちろんセーフです。

  • リスク説明をした上で不特定多数に対して株式投資のお金を集める

元本保証をしていないので出資法違反には該当しませんが、無登録でファンドとして募集しているので金商法違反には該当します(金商法については出資法と外れるので割愛)。

  • 元本保証の投資を謳って知人一人からお金を集める

元本保証を謳っていますが、知人一人に対してなので不特定多数には該当せずセーフとなります。

ただしその知人から更に紹介を受けたり、SNSなどで広く募集してお金を集めると、不特定多数に該当し出資法違反となります。

  • 不特定多数に対してファンドへの投資の斡旋をする

元本保証を謳っていないし、投資家がそのファンドに直接お金を預けるのでセーフとなります。ただし絶対儲かると言って一時的にでも斡旋した人がお金を預かった場合は出資法違反に該当します。

預り金の禁止に違反した場合の罰則

出資法の第二条、預り金の禁止に違反した場合の罰則は、出資法第八条、3項に書かれています。

3 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第一条、第二条第一項、第三条又は第四条第一項若しくは第二項の規定に違反した者
二 いかなる名義をもつてするかを問わず、また、いかなる方法をもつてするかを問わず、前号に掲げる規定に係る禁止を免れる行為をした者

というわけで違反者には3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が与えられます。

ただし預り金の禁止に該当した場合、詐欺罪や金商法違反などの他の罪と併科される可能性が高く、その場合は刑が重くなります。

まとめ

出資法第二条、預り金の禁止に違反して逮捕されるケースは非常に多いです。

そもそもまともにやっている銀行でさえ1000万円以下の預金にしか元本保証ができないのに、個人が元本保証なんてできるはずもありません。

  • とある企業が融資を受けたがっており、1口50万円を出資すれば2ヶ月後に10%の利息を上乗せして返すことができる

このような話がきたら詐欺である可能性が高く、これを不特定多数に対して話して集めている場合は出資法に違反するため、一度警察に相談しましょう。