最近では日本でも「ロボアドバイザー」という単語が目につくようになってきており、新たな層を取り込んで拡大してきています。この先も注目が集まる投資方法と言えます。

今回はそんなロボアドバイザーの概要や、デメリットなどについて解説していこうと思います。

ロボアドバイザーとは?

ロボアドバイザー(通称ロボアド)とは、AIによる資産運用のアドバイスサービスのことです。

使い方は簡単で、質問に答えてある程度の運用方針を提示すると、AIが最適な投資信託、ETFなどを提示してくれます。

買ったり売ったりの短期トレードではなく、沢山の銘柄に分散投資してリスクをヘッジしながら保有し続ける長期投資向けのサービスと言えます。

ロボアドバイザーは、よく証券会社や銀行のサービスの一環として提供されていることが多いですが、最近では専用の会社も出てきています。

中には推奨銘柄のアドバイスだけでなく、資産の自動買い付けや、リバランスを行ってくれるもの、更には節税を兼ねて年末に含み損を抱えた銘柄を損切りしてくれるものまで出てきています。

日本でも手軽さによりロボアドサービスを利用して資産運用を始める人が増えており、今後も注目が集まる分野であることは間違いありません。

投資信託、ETFの意味とそれぞれの違い

投資に触れたこともない人もいると思うので、本記事のメインになる投資信託、ETFについて軽く説明しておきます。

投資信託とは、投資家から集めたお金を金融の専門家が株式や債券、金などに投資・運用する金融商品の事を指します。

投資信託は、以下の2つに分類することができます。

  • アクティブファンド
  • インデックスファンド(パッシブファンド)

アクティブファンドは、日経平均株価などの指数よりも上回るリターンを得ることを目標に、積極的に売買をするファンドです。

そしてインデックスファンドは、日経平均株価などの指数にパフォーマンスが連動するように分散投資するファンドです。人間による労働が少ない分、アクティブファンドよりも手数料が安いです(重要)。

日本人にとって、パフォーマンスを日経平均株価に連動させたところで儲かるわけないだろう思う方もいると思います。それもそうで、日本はバブル時、1989年に日経平均株価38957円をつけてから29年経った現在も、当時の株価を上回ることができていません(通称失われた20年)。

ただし、世界中の株価指数に目を向けてみると、どこも長期的には右肩上がりになっていることが確認できます。また長期投資になればなるほど配当金によるリターンが蓄積され、やがて利益の大きな割合を占めていくことも忘れてはいけません。

このことから世界中の株価指数に連動するインデックスファンドに分散投資するだけでも、長期的にリターンを上げられる可能性が高くなります。

また基本的にインデックスファンドはアクティブファンドよりも手数料が安く、なおかつパフォーマンスが良いとされています(重要)。よって長期投資をするならインデックスファンドをおすすめします。

続いてETFとは、一言で言えば株式に上場しているインデックスファンドのことです。長期投資の目線で見た時には、投資信託のインデックスファンドを購入するよりも、ETFを購入する方が更に手数料を安く抑えることができます。

長期で分散投資をするなら手数料の安いETFを購入すべきと覚えておけば良いでしょう。

ロボアドバイザーと投資信託の比較

ロボアドバイザーと投資信託を比較してみます。

  • ロボアドバイザー: 質問に答えることでどの投資信託を買うかをアドバイスしてくれる仕組みのこと
  • 投資信託: 投資家から集めたお金を専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品のこと

こうして見ると、少し違います。

ただしロボアドバイザーの中には、資産の買い付け、リバランスなども行ってくれる投資一任型のものがあり(後述)、その場合は投資信託に投資する投資信託という感じに近くなるかもしれません。

ロボアドバイザーの種類

ロボアドバイザーは、おおまかに2種類に分類することができます。

  • アドバイス型
  • 投資一任型

アドバイス型

アドバイス型のロボアドバイザーは、いくつかの質問に答えると最適な投資信託、ETFを提示してきますが、あくまでおすすめを提示するだけであり、後は自分で購入、管理する必要があります。

投資一任型

投資一任型のロボアドバイザーは、いくつかの質問に答えると最適な投資信託、ETFを提示してくるところまでは一緒ですが、加えて投資信託の買い付け、積立の設定、そしてリバランスなども同時にやってくれます。

保有資産の手入れをAIに任せるため、投資に関わる時間と手間を大幅に省ける反面、手数料も上乗せしてかかります。

ロボアドバイザーは儲かるのか?

ロボアドバイザーは儲かるかどうか聞かれれば、私は長期投資(数十年単位の運用)になればなるほど儲かる可能性が高いと言います。これはロボアドバイザーうんぬんではなく、そもそもの資産運用の前提としてです。

株式投資においては定期的に配当金というものがあり、長期運用になればなるほど配当金によるリターンが蓄積されていき、プラスサムゲーム(期待値的に投資家全員が儲かるもの)に近づきます。

そしてロボアドバイザーを利用することで、リスクを分散したポートフォリオを組めるので、素人が適当に資産を選んで買うよりも安定したリターンを上げられる可能性を高くすることができるでしょう。

ただし当然短期的には株価は大きく変動しますので、突然世界恐慌が起こり世界中の株価が大暴落し、その時点で運用を辞めてしまえばいくらロボアドでの運用であろうがマイナスに終わってしまう可能性はあります。

あくまで数十年単位の長期投資をした場合の話です。

ロボアドバイザーの期待利回り

ロボアドバイザーの利回りは一概に何%とは言えません。投資計画は人によって異なり、組み入れる銘柄や配分により期待利回りも変動するからです。

大体の目安としては、

  • 100%株式を組み込んだ時の平均利回り: 7%/年
  • 100%債券を組み込んだ時の平均利回り: 3.5%/年

といったところでしょう。

基本的に株式の方が利回りは高いですが、その分リスク(上下に動く幅の事)が大きいため短期的には大きく損に触れる可能性も高まります。

債券は株式よりも利回りが低いですが、その分リスク(上下に動く幅の事)は少なくなります。

あとはロボアドの質問からどう振り分けるかで期待利回りが変わります。

ロボアドバイザーのデメリット

ロボアドバイザーのデメリットとして考えるべきは、アクティブファンドを推奨される可能性と、投資一任型の手数料の高さです。

アクティブファンドを推奨される可能性

ロボアドバイザーサービスは沢山ありますが、中にはアクティブファンドを推奨してくるものがあります。

アクティブファンドはインデックスファンドに比べて手数料が高く、パフォーマンスも劣るという統計が出ていますので、長期投資を考えるならば外すべきなのですが、初心者だとロボアドに推奨されて見分けがつかずにアクティブファンドを買ってしまう可能性が考えられます。

私はロボアドバイザーサービスの中でも、手数料が一番安いETFのみを選定してくれるウェルスナビテオの利用をおすすめします。

投資一任型の手数料の高さ

ロボアドバイザーのもう一つのデメリットとして、投資一任型の手数料が高いことが挙げられます。手数料は毎年1%ほどかかります。

運用面において年間1%というコストはかなり大きく、長期運用になればなるほど不利になってしまいます(10年で10%もパフォーマンスが変わる)。世界のロボアド市場と比較してみても、1%はまだまだ高いと言えます。

運用パフォーマンスを重視するのであれば、ロボアドはあくまで銘柄と配分を教えてくれるアドバイザーとして利用し、あとは自分でETFの購入、管理をする方が圧倒的に良いため、私個人的には投資一任型の利用はおすすめしません。

ただし投資一任型のロボアドバイザーは、投資の知識がない初心者にとってはわかりやすく、運用にかかる手間も大幅に省けるため、パフォーマンスを犠牲にしてでも手間を省きたいと考える方にはうってつけとも言えます。

このことから投資一任型は一概に悪いとも言えません。

おすすめのロボアドバイザー

国内で有名なロボアドバイザーの会社は、

の2社です。

ウェルスナビはウェルスナビ株式会社、テオは株式会社お金のデザインが運営しており、どちらもベンチャー企業です。

2社とも手数料が安いETFのみを選定してくれる良心的なサービスを展開しており、基本的に投資一任型サービスとなります。

ただしサービスを利用しなくても推奨銘柄と配分を教えてくれるため、アドバイザーとしてのみ利用し、自分で証券会社から商品の購入、管理をすることも可能です。もちろん手間を省きたい人は全部おまかせするのも良いでしょう。

興味がある方は口座開設して診断してみることをおすすめします。

おまけ: ロボアドバイザーの英語表記とその歴史について

ロボアドバイザーを英語で言うと、Robo-advisor(s)となります。

元々ロボアドバイザーという言葉は英語から来ており、歴史を辿ると最初のロボアドは2008年の金融危機の時に誕生しているようです。

2010年にはBettermentという会社がロボアドサービスを開始し、大きく認知度を拡大していったとされています。

2015年までには世界中の100社近くのロボアドサービスが6兆7000億円もの資金を管理するまでに市場は成長し、2017年10月には25兆円規模にまで成長しています。また2020年末までには220兆円規模にまで成長すると予想されています。

現在ロボアドサービスを提供している一番大きな会社はアメリカの「The Vanguard Group(Vanguard Personal Advisor Services)」であり、およそ9兆円にもなる資産を管理しているとされます。