今回はEXCELで簡易的な仮想通貨の強弱チャートを作り、トレードに活かす方法を書いていきたいと思います。

通貨の交換レートとは、ある通貨とある通貨の交換比率であり、チャートを見ただけではどちらの通貨が強く、どちらの通貨が弱いのかを把握する事ができません。

例えばBTC/ETHのチャートが上昇している場合、BTCが買われているのか、ETHが売られているのか、はたまた両方なのかはわかりません。これらを知るためには、ETH/USDや、BTC/USDなどと比較する必要があります。

強弱チャートは、ある地点を0と定め、その地点からの対数変化率を求めた上で、単一仮想通貨が強くなったか、弱くなったかなどを表示したチャートです。

また、USD(Fiat通貨)を一つの通貨として表示できるため、USDの価値が上がっている(つまり仮想通貨全体が下がっている)場合は一旦Fiat通貨またはUSDTに逃した方がいい、などの判断も容易にできるようになります。強弱チャートを使うことで、トレード判断における一つの武器になります。

また、強弱チャートは、ku-chartと呼ばれることもあります。

用意するもの

初めに強弱チャートを作る際に用意するものを紹介します。

  • EXCEL
  • Power Query(パワークエリ)

パワークエリは、以下から無料でダウンロードできます。

上手くインストールできれば、EXCELの上部に「POWER QUERY」というタブが追加されます。

仮想通貨の強弱チャートの作り方

ここでは、ビットコイン、イーサリアム、米ドルの3つの強弱チャートを作成してみます。

完成品はこのような感じになります。

要領さえわかればいくつでも比較する通貨数は増やせます。

ヒストリカルデータの読み込み

まずはパワークエリを使ってCoinmarketcap(コインマーケットキャップ)から30日分の仮想通貨のヒストリカルデータを読み込んでみます。

Coinmarketcapにアクセスし、Bitcoin→Historical Dataと進みます。

URLは

となります。

EXCELを起動し、「Power Query」タブ、「Webから」をクリックし、上記のURLを入力します。

Table 0を選択し、編集をクリックします。

日付が降順になっていて扱いづらいので、Dateの▼をクリックし、昇順で並べ替えをクリックします。

ついでに右のプロパティにある「名前」を、わかりやすくBitcoinとでもしておきます。

あとは左上にある、「閉じて読み込む」をクリックして閉じます。

同じようにイーサリアムのヒストリカルデータも、日付を昇順に直して読み込みます。

イーサリアムのヒストリカルデータのURLは、以下にあります。

この時点で、ブッククエリには、ビットコインとイーサリアムのデータが読み込まれているはずです。

ついでに下のタブにもBitcoin、Ethereumと名前を付けておきます。

同様の手順で比較する通貨数を増やすこともできます。

計算部分の作成

続いて計算部分の作成方法を書きます。

強弱チャートの計算方法としては、

  • それぞれの通貨ペアチャートを、初日(起点)を0とした対数変化率に直す
  • 「-(ビットコインの対数変化率+イーサリアムの対数変化率)/3」を「USDの対数変化率」と定める
  • それぞれの通貨ペアの対数変化率に、USDの対数変化率を加えたものを、「単一通貨の対数変化率」と定める
  • すべての対数変化率の和が0になっているかをチェックする

という手順で行います。

その前に、読み込んだものと同じ日付を表示させておきます。

これはグラフ表示のときに使います。

一番上に「日付」と入力し、その下のセルに「=Bitcoin!A2」とすると日付が表示できます。これを30日分作っておきます。入力したセルの右下にカーソルを合わせ、「+」のマークが表示されている状態で下にスクロールすると簡単に計算式を複製できます。

次に「ビットコイン終値」という列を作ります。

2番目のセルを「=Bitcoin[@[Close**]]」とし、ビットコインの「Close**」にあるデータを読み込みます。

同じようにセルの右下にカーソルを合わせ、+が表示された状態で下にドラッグすると簡単に複製ができます。

次は、「ビットコイン対数変化率」という列を作ります。

初日(起点)からの対数変化率を求める計算式は、「log(当日の終値/初日の終値)」となります。

EXCELでは、「=LOG(B2/$B$2)」と書きます。「初日の終値」のセル(B2)を「$B$2」とすることによって、+を使って下まで数字を追加しても初日の方の数字を変化させなくできます。

ここまででビットコインの対数変化率を出せました。同様の手順でイーサリアムの対数変化率も出します。

イーサリアムの終値と、イーサリアムの対数変化率を出します。

次はこれらの対数変化率のデータを元に、ドル(Fiat通貨)の対数変化率を求めます。

計算式は、「-(ビットコインの対数変化率+イーサリアムの対数変化率)/3」です。先頭にマイナスが付きます。3という数字は、計算する通貨の数+1です。通貨数を増やす場合はそれに伴い数字を増やします。

EXCELでは、USDという行を作成し、「-(C2+E2)/3」とします。これも同様に下の行まで作ります。

次は、ビットコインとイーサリアムの単一通貨の強弱を計算します。

原理としては、BTC/USDの対数変化率からUSDの対数変化率を取り除くことで、BTC単体の対数変化率を求めることができるという感じです。

計算方法は、「ビットコインの対数変化率+USDの対数変化率」です。引くのではなく足すという点に注意してください。

EXCELでは、Bitcoinという列を作り、「=C2+F2」という計算をさせます。

同様にしてイーサリアムも作成します。「イーサリアムの対数変化率+USDの対数変化率」で計算します。

最後にチェックという列を作り、USD、Bitcoin、Ethereumをそれぞれ足してみます。すべての和が0になれば問題なくできています。

グラフ表示

Ctrlを押しながら「日付」「USD」「Bitcoin」「Ethereum」の4列をクリックして反転させ、挿入→おすすめグラフを選択します。

折れ線を選択します。

適当にタイトルを付けます。日付が入ると見づらいので、グラフの右側の+をクリックし、軸のチェックを外します。

完成!

仮想通貨の強弱チャートをトレードにどう活かすか

最後に仮想通貨の強弱チャートをトレードにどのように活かしていけば良いのかを書きます。

まず、値上がりしている通貨のニュースなどを調べてみて、値上がりしている要因を特定してみてください。

  • その要因は一時的なニュースによるものなのか
  • とある日に起こる発表の期待感によるものなのか
  • 全くわからないものなのか

値上がり要因が特定できれば、その買い需要は一時的なものなのか、しばらく続きそうなのかを考えます。

しばらく続きそうであれば、あとはテクニカル分析などを使って短期の買いのタイミングを計っていくと良いと思います。