巷ではトルコリラ大暴落のニュースで溢れていますが、今回はトルコリラの下落要因と買い時について考察してみたいと思います。

トルコリラとは?

トルコリラとは、トルコ共和国の現行通貨のことを指します。

ISOの通貨コードはTRYです。

なぜこの通貨が話題なのかというと、トルコリラは高金利通貨と呼ばれ、保有しているだけで金利(スワップポイント)が付くからです。その利息はなんと年間17%以上です。

こうしてみると一見魅力的ですが、対ドルでのチャートを見てみると長期的に下がっています。

上のチャートは2013年からのものですが、更に長期的に見ると10年以上、ずっと下げ続けています(対ドルチャートの場合チャートが上昇すればトルコリラの価値が下がる)。

つまり年間17%以上の高金利だろうが、価格の下げ幅の方が大きく、金利に食いついてトルコリラを買った人は、値下がりの影響で損している状況です。

こちらは高城氏によるまとめツイートです。

対円チャートでのトルコリラは、2007年の時点で100円でしたが、そこから下げ続け、現在は20円にまで下落しています。約10年で5分の1にまで目減りしたことになります。

そして、高城氏は流動性枯渇による取引停止リスクを問題視しています。

これは、トルコリラが下落して取引量が減ることで、FX業者がトルコリラ絡みの通貨ペアの取引を強制的に停止させる処置(上場廃止のようなもの)のことです。

トルコリラの取引が停止になった場合、そのFX業者で持っているポジションは強制的に決済されます。つまり含み損を抱えているポジションに関しては、いくらスワップ金利を得ていようが強制的に損失を確定させられることになります。

実際過去にはアイスランドクローナ絡みの通貨ペアが取引停止に陥り、投資家のポジションが強制決済になったことがあります。

トルコリラの下落の原因

トルコリラの下落の原因として考えられるのは、以下の要素です。

  • 巨額の経常赤字
  • 米国のイランに対する経済制裁、牧師拘束問題などによる関係悪化
  • インフレ加速、インフレ抑止のための利上げ圧力
  • 米国の金利上昇

まずトルコの経常収支についてですが、ここのところほぼ毎月赤字を計上しています。

これに改善が見られない限りは通貨の値上がりも厳しいでしょう。

更に最近では、イランと米国の関係も悪化しています。トルコはイランとの結びつきが強く、経済制裁を食らうと更なる財政の悪化が見込まれます。トルコと米国でも、牧師拘束問題などによる関係の悪化を招いています。

国内では、トルコリラ安による輸入コスト増加、企業の外貨建てローンの返済能力の悪化などでインフレが加速しており、インフレを抑制するために利上げ圧力がかかっています。現状、通貨安、株安、債券安とトリプル危機が起こっています。

そして近年では米国は景気回復による利上げに踏みきっており、新興国から米ドルにお金がどんどん流れているというのもトルコリラ安の要因となります。

これらを見ると、トルコリラはとてもじゃないけど長期的な値上がりが見込める状況ではないことがわかります。

巷ではトルコリラを長期保有している人の悲鳴が聞こえますが、この先更に下がる可能性も十分に考えられます。なにせ10年以上下がりっぱなしですから…。

それに加えて高城氏が指摘する取引停止リスクも考慮すると、買いで立ち向かうのは絶望的に分が悪いと思います。

トルコリラの買い時はいつか?

やはりこれだけ通貨が安くなっており、高金利が付く通貨ですから、底を狙って買いたいところです。

トルコリラを長期的に買うべきタイミングは、ずばり景気や外的要因に回復の兆しが見えてきた時です。それ以外にこの通貨を買ってはいけません。

つまり、国内情勢が落ち着き、経常収支に回復の兆しが見られ、対米関係も良好になり、インフレ率も弱まり、米国の金利も下がってくる程良いと言えます。

長期的なトレードタイミングとしては、今ではないことは明確です。しかし、来るべき日のために今のうちから準備しておくのも良いかもしれません。